Mine Highness 紡いだ言葉に彼の背後に控える男たちが主に悟られぬよう、でも自分には明らかに伝わるようしかめた眉根に失笑を漏らす。 愚かで愚かでどうしようもない。 悟られてないと思っているだなんて!! 優秀と自負しているなら己の主くらい正しく認識しておくべきだ。彼が気づかないことなんてあるわけはないのだ。彼は少なくとも自身の手駒のことならばすべてを知り尽くして正しく認識している。 己に跪く下僕たちの内情すら理解できないような愚鈍だとでも思っているのか、彼らは!! 可笑しさにますます笑みを深めるとにわかに殺気立つ騎士諸君に、彼は困ったやつだといわんばかりに視線を僕に投げてくる。 僕のせいじゃありませんよと視線で返せば甘く息を吐いたその唇の艶やかなこと! 噛み付きたいなと思ったのが通じたのか、彼は緩やかに傷ひとつないまさしく皇族たるに相応しいやわやわとした白い手を振って退出を促した。 「Yes, Your Highness」 折り目ただしく一礼して去っていく騎士数人の視線は射殺さんばかり!! 彼らの嫉妬、羨望、憎悪は心地良く僕をくすぐってたまらない。 「まったく、お前は好んで敵を作るなロイド」 歌うようなすべらかな音の連なりは限りなく典麗。それが自分の名を綴るのを聞くのが好きだ。 「そぉですかぁ?」 おどけてくだけて、けらけらと道化染みて笑えば彼は瞬きひとつでこちらへ来るようにと命じる。逆らう理由なんてもちろんひとつもなくむしろ待っていたのだから嬉々として彼の近くへと。 彼を守る砦のように重厚な机を回避して傍らへと侍れば、笑う白い白い僕の。 腰を折って繊細な細工の施された椅子に座る彼の女らしさのかけらもない色味の薄いでも堪らなく蠱惑的な口唇に会えなかった分の熱情を込めて自身のそれを重ねた。 最初はただ接触するために。でも、すぐにそれ以上がほしくなるなんて当たり前のことだから、目で強請るように訴えれば、彼はわずかに唇を綻ばせてくれる。 すぐさま欲望のままに彼の口腔に入り込んで舐めて吸って噛んで食んで、ああもうとろけてしまいそう! しっかりと開いたままの目で見る彼の青紫の瞳も秀麗な顔も愉悦に染まって、これ以上なく僕を満たしてくれる。 散々なぶっていい加減僕の舌も顎も痛くなってきたので名残は惜しいけれどゆっくりと彼の中から出て行けば、そう思ってくれたらしく追いかけてきた彼から軽い口付けをひとつ拝領した。 「あっは」 嬉しくて笑声をもらし、息を整えている彼の口元を濡らすキスの合間に溢れて零れた、僕と彼のぐちゃぐちゃに交じり合った唾液をぬぐってやる。彼の白い肌、首を覆い隠す白いスカーフもまたぬれて色を濃くしていた。それに手をかけて彼が苦しくないよう力加減をしながら解いて、そして万感の思いを込めて囁く。 「Mine Highness」 僕だけに許された呼称。 彼に忠誠を捧げた騎士達の嫉妬の理由。 Your(あなたの)ではなくMine(わたしの)と呼ぶことを許されたこの特別。 その呼びかけに、許しを与えた当人が咽喉を震わせる。 「お前にそう呼ばれるのは好きだよ」 「僕も好きですよぉ」 「だが、今はそうじゃないと思うのは私の気のせいか?」 「あれぇ?い〜んですか?ここ、私室じゃありませんよ〜?ベットもないしぃ」 遠慮しながら期待を込めて問いかければ、軽やかな哄笑。予測済みのそれににんまりと唇を引き上げる。似合わない常識をじらすようにふりかざす滑稽さは百も承知で彼と戯れるのは有意義だ。だがこれ以上我慢するのも馬鹿らしい。 大人しく外れかかった欲望の箍を今度こそ本当に外してしまって、浮き上がった彼の首筋に顔を埋めて鎖骨まで辿って噛み付いて、 「シュナイゼル」 呼ぶ声に滲む熱のなんて高さ! 艶然と笑む愛しい人の声の熱さも等価なのだから、至福というのはこの事だと高らかに宣言しよう! あーうん やっちまった感の多大なロイシュナ 改めて公式サイトへ行ってキャラを見てきてはてなぜ私はシュナ受けに走ったのかと可愛らしいロイドの絵を見て思いつつ、もう固定されてしまったのでロイシュナで突っ走る。 精神的逆CPはオケでも肉体的なのは勘弁してくださいな私ですから。 そしてやっぱりぐだぐだな文だな! |